『トッププロに聞いた麻雀「読み」の神髄』を読んだ感想と内容まとめ

 ここ最近の課題は『読みの精度を上げる』こと。赤坂ドリブンズで活躍する村上淳プロの著書『トッププロに聞いた麻雀「読み」の神髄』が結構売れているということで勉強がてら購入。

普段麻雀格闘倶楽部をプレイするので連盟のプロは結構知っていますが最高位戦のプロはあまり知りません。

赤坂ドリブンズと言えば2018年のMリーグ初代優勝チーム。村上淳プロは赤坂ドリブンズでMリーグ優勝に貢献し、最高位戦でかなりのタイトルを獲得している実力者ということで気になって購入した次第です😄

感想と内容をまとめていきたいと思います。

目次
1.感想と本の構成について
2.学んだ内容
3.まとめとオススメの読者層

1.感想と本の構成について

 全体の感想としてはとにかく話の展開が面白い!麻雀の読みを扱う点で内容は決して簡単ではありませんが、村上プロと村上プロの後輩である鈴木プロ(同じく最高位戦)が時折冗談を交えながらコミカルに話が進んでいきます😄

対談形式で読者の考えを鈴木プロが代弁して村上プロに質問するような展開になっているので難しい読みの理論も理解しやすくなっています。

ただ内容は難しい部分もちょこちょこあります。降りを選択した部分を中心に普通の戦略本では触れないマニアックな内容にも多く触れているので、『読みの入門書でなく、読みの精度を上げるための一冊』という表現が正しいかもしれません。

すぐに実践で使える内容も紹介されておりますが、本書の魅力はそれよりもトッププロがどのような思考を展開して打牌選択をしているかが分かりやすくまとまっている点だと思います。ここまで考えられるのはさすがプロだなと納得させられる一冊になっています。

本の構成としては上の写真の様に、最初に問題として場の状況が記載され、その下に答えが記載されております。

私は指で答えを隠しながら回答を考えていましたが、ご覧の通りすぐに答えが書いてあります…。読者に考えさせるというより、なぜその答えになるのかのプロセスを一緒に考えてほしいということなのかもしれません😅

その後、なぜ答えの打牌選択に至るのか村上プロと鈴木プロの対談形式で解説が進んでいきます。


巻末にはプロ同士のエピソードが書かれています。村上プロと滝沢プロがかなり長い付き合いだとは知りませんでした😃


 全体を通して一番参考になったのはこちらのページ。右側で上家が3巡に九筒:麻雀王国を切った後に九索:麻雀王国,八萬:麻雀王国と切り、6巡目に七筒:麻雀王国を切っているのですが、その時点での村上プロの思考が次のページ(以下の写真)に記載されています。

九筒:麻雀王国の後に七筒:麻雀王国がすぐ切れていないことから七筒:麻雀王国は関連牌として切られた、と読むところから始まり、どのような形から七筒:麻雀王国が切られたかを以下の4パターンのいずれかと想定しています。

1)五筒:麻雀王国七筒:麻雀王国四筒:麻雀王国を引いて両面ターツに昇格

2)六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国七筒:麻雀王国から1手進んで両面ターツに固定

3)五筒:麻雀王国六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国四筒:麻雀王国を引いてスライド

4)六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国七筒:麻雀王国五筒:麻雀王国八筒:麻雀王国を引いて面子完成

 他家の手牌を強く意識するのは立直やテンパイ模様になってからが普通だと思いますが、その前段階から手牌にどういう形や面子があり、早さや打点を考慮しながら自分の打牌選択をしている点はさすがトッププロだなと感じました。

2.学んだ内容

以下、この本で学んだ内容を箇条書きでまとめていきます。
一部私が理解できるように本の内容を変更して記載している部分もあります。
※特に重要なポイントは★で記載

読みについての前提)
手牌読みは守りだけではなく、山読みとして攻撃にも活かせる
・明確にわかるところは極力言語化して考えることが読みのスタートライン
・相手の立場になって考えることが高度な読みに繋がる

読み全般)
・中盤以降は他家3人の手出しツモ切りは極力見ておくべき
・捨牌から手牌を読む際、同じ牌を3枚以上使う暗刻系はレアなので考慮しなくて良い
・間四軒と普通の無スジの危険度はほぼ同じ
→攻める手牌なら躊躇なく押すべき

早さ読み)
・親が自らダブ東を拒否したら早いなと意識しておくべき
・オタ風より翻牌を先に切っていれば手牌が整った証拠なので早いと見るべき
・ペンチャンを内側から外すのは普通だが、カンチャンを内側から外した場合は手牌が整っていて早いと見るべき

手役読み)
・手役を当てられるケースより消去できるケースの方が圧倒的に多い
・合わせ打ちが多ければ七対子を疑うべき
・初打からのペンチャン外しはタンヤオ、役牌、ホンイツのいずれかである可能性が高い
・両面ターツ落としがあれば以下の3パターンを想定すべき
i)5ブロックのターツが揃っている
ⅱ)染め手狙い
ⅲ)七対子狙いで両面ターツの価値が低い

打点読み)
・待ち読みは間違えても大怪我することは少ないが打点読みは読み違えると大怪我するので注意が必要
・大トップの親は連荘するメリットが薄いため、仕掛けが入ったら5,800以上の打点を警戒しなければならない

読みと押し引き)
先制リーチに対し、終盤で待ちが絞り込めている時は掴んだら降りる牌が明確なのでテンパイしたらダマにした方が良い
→逆に序盤や中盤で待ちが絞りこめていない時は無スジを引いても結局押すはずだからテンパイしたらリーチして打点を上げる方が得
・リーチ者に対して降りている2人が切っていない現物は山にある可能性が高い

ツモ切りリーチへの読み)
・ツモ切りリーチには以下の4パターンが考えられる
i)手代わりが少なくなったからリーチ
ⅱ)待ちが良くなったからリーチ
ⅲ)他家の進行を止めたいからリーチ
ⅳ)単純にリーチかダマか迷って1順考えてリーチ
・ツモ切りリーチにドラ待ちは少ない
・愚形待ちの可能性が高いのでスジや字牌を警戒すべき

その他使えるテクニック)
オーラスは親に連荘させる選択肢を持つことで攻めの幅が広がる
→親の打牌から次局の有無を判断しながら押し引きを考えることが大切
・全力で上がりに向かう局面じゃない時は、序盤に切られた端牌を残してペンチャンに構えると良い
例)上家と対面が第一打で九筒:麻雀王国を切った場合、六筒:麻雀王国八筒:麻雀王国九筒:麻雀王国をツモったら六筒:麻雀王国切りでペン七筒:麻雀王国に構える。先制された時に降りやすいし、七筒:麻雀王国は山にある可能性が高いので攻めの面でも悪くない
・親で安易なタンヤオ仕掛けは他家への牽制力が弱まるので得策ではない

3.まとめとオススメの読者層

 今回この本を読んで自分とトッププロでは見えている世界が全然違うということを痛感しました。(勿論当然ですが…笑)

普段何も思考が展開されない他家の序盤や中盤の捨牌からトッププロは多くのことを考えて思考を展開し、手役作りや押すか引くかといった打牌選択に活かしているようです。

だからこそ、トッププロは時折素人からは理解できない長考をすることがあるのだと感じました。何せ見えてる世界が違うわけですから。

読みの精度を上げたい方は勿論、「最近ツキがなくて勝てないな〜」と思ってる方にこそ是非読んでほしい。自分と麻雀が強い人との思考の展開の仕方の違いを思い知らせれます😂

私もその1人なので今後も勉強を続けて読みの精度を上げていきたいと思います❗️

★こんな方におすすめの本だと思います★
・麻雀格闘倶楽部:黄龍レベル20以上の方
・天鳳:最高段位四段以上の方
・読みの精度を上げたい方
・トッププロ読みについて知りたい方
・Mリーグ観戦が好きな方
・赤坂ドリブンズの強さの秘密を知りたい方



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