麻雀にチャンタは不要。狙う役ではなく偶然成立する役
チャンタと純チャンタ、混老頭などいわゆるチャンタ系の役は赤あり麻雀では狙うべき役ではありません。
チャンタは面前で2翻鳴いて1翻、純チャンタは面前で3翻鳴いて2翻で面前で仕上がれば勝負手になるものの、ほとんどの場合で裏目が存在します。面前で成立させるのは非常に難しいので鳴いて安手になることが大半です。
それならば赤を活かせる平和やタンヤオを狙う方が効率的に満貫以上の勝負手を作れます。チャンタ系は狙う役ではなく、あくまで偶然成立する役であると意識することが大切です。
混老頭は1,9の数牌と字牌のみで構成する面前でも鳴いても2翻(トイトイと複合するので実質4翻)の役です。3麻以外ではほとんど成立しない役なのでよほど配牌が良い場合を除いて無視して構いません。
1,9のみで構成する役満の清老頭も同様です。
こちらは東1局6巡目、純チャンタや789の三色が狙えそうな場面ですがテンパイ即リーを選んだ場面です。東1局なのでを切って満貫や跳満を狙いにいく打牌選択も考えられますがスピードに差がありすぎです。
を残してもを立て続けにツモる必要があり、をツモれば満貫になりません。テンパイ即リーの–待ちならツモのみならず出上がりでも良いので、有効牌の数は単純に4倍になりことを考えると早さが断然違います。
自分にドラが1枚もないということは他家にドラが回っているということです。この場合、満貫に仕上げるよりも早さ重視で上がって局を流す方が他家の大物手をかわせるという意味で点数上のメリットがあります。
今回のように真ん中の中張牌がドラの場合、麻雀の王道役とも言えるメンタンピンやタンヤオで簡単に満貫が作れるため平均打点が高くなる傾向にあります。
逆に中張牌がドラの場合、チャンタ形の役の価値が下がります。とは言ってもヤオチュー牌より中張牌の方が多い※1ので基本的にチャンタ系の役に価値はありません。ヤオチューがドラの場合は狙う価値が多少あると思うくらいで十分です。
※1
ヤオチュー牌13種/
中張牌21種/〜,〜,〜の7種×3
続いてこちらをご覧ください。
22,500点持ちの3着で迎えた南1局2巡目、チャンタと789の三色が狙えそうな好配牌。ここまでチャンタがくっきり見えればチャンタを決め打ちして問題ありません。
ひとまず,,を切りますがが出てポンするのは早計です。この手の理想は面前でチャンタ三色の満貫に仕上げることです。
を鳴けばヘッドレスになりチャンタも三色も作りづらくなりますし、うまくチャンタ三色に仕上げても3,900止まりです。
ここはをヘッドに固定し面前で進め、中盤以降になれば,チーやポンで流しいく戦法が無難です。
の両面ターツからのツモなどチャンタは裏目が多く、やなど待ちの形も愚形が多くなるので大概チャンタ系は鳴くことになります。
大物手になる過度な期待は禁物ですので、中盤以降は現実を見て流しにいくという姿勢も重要になります。
最後はチャンタ系の役が狙える場面でどう動くか実践形式で解説します。
2着で迎えた南1局親番の4巡目ドラは、を切って2シャンテンになった場面です。チャンタと789の三色が見えそうですが、ここから何を鳴くか、もしくは鳴かないか是非一緒に考えてみてほしいと思います。
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理想的なのは面前で進めチャンタと789の三色が成立することです。ですが先ほど記載した通りチャンタは裏目が多く大概鳴くことになるので過度な期待は禁物です。
この場面ではでポン、でチーのみとし、,でのチーはスルーします。
正解はありませんが打点と早さを両天秤にかけ、ポンを前提としつつ満貫も狙います。ペンチャンは残しておくと上がりが厳しいので鳴きますが、両面ターツ部分は残しておきます。
迎えた7巡目、上家から鳴きが入り、を切って2シャンテンのまま3ヘッドになった場面です。さてここから何を鳴くか。
8巡目になるのでいつ誰がテンパイしてもおかしくありません。上家から鳴きが入ってことも考慮して満貫を捨て早さ重視で流しにいきます。
ポンを前提に–,,–チー、,,はポン、鳴けるものは全部鳴きます。
若干惜しい気もしますが三色もチャンタも,,,ツモで崩れるので期待できません。ドラがで他家の打点が高くなりやすいことも考慮して流すのがベストだと考えます。
次局チャンタと三色の裏目となるツモ。ポンを前提に,でも鳴けるようを切って3ヘッドに構えます。
ラス親なので片バッタとなっても仕方ありません。
10巡目にツモで切り。チャンタはなくなりましたが678の三色が見えました。
3ヘッドを崩してリーチ發三色の高め満貫に期待します。期待するだけで早さ重視なのは変わりません。
–チーで白の片バッタ、が3枚切れなので,白ポンで切りの狙いの三色とします。
同じく10巡目に下家からリーチがかかるものの、13巡目にが鳴けて–待ちに。
待ちが悪く高め2,900の安手。場に見えるドラは下家のの1枚のみ、上家の打点は高いと見て危険牌をツモればを切って降ります。
結局この局は対面が方銃して終わりました。
実践形式で解説しましたがいかがでしたでしょうか。結局何が言いたいかと言うと次の3点です。
①チャンタは面前なら満貫以上の勝負手になるが大概鳴くことになる
②配牌がチャンタ寄りなら狙う価値はあるが上がりも打点もあまり期待はできない
③序盤は高め満貫まで見るが中盤以降は無理せずかわし手とすることも重要
赤アリが主流の現代麻雀ではチャンタの価値はかなり低いです。狙う役ではなくあくまで偶然成り立つ役でありことを意識して、赤や中張牌のドラを引いたらメンタンピンを狙う方が打点も上がりも期待できます。
たまに赤や中張牌のドラを散々切った挙げ句、蓋を開けたら白チャンタの2,000点のみという場面を見かけます。正直に言って勿体ないです。
チャンタより赤ドラ、メンタンピンを優先して手役を作ることを意識していただければと思います。
★まとめ★
・チャンタは面前なら満貫以上の勝負手になるが大概鳴くことになる
・配牌がよほどチャンタ系に寄っていないとチャンタ系の役を狙う価値はない
・中盤以降が妥協してかわして手としてチャンタ系の役を活かすことも重要
・自分がドラを持っていない場合、他家がドラを持っている可能性が高く、相対的に他家の打点が高くなる
・中張牌がドラの場合、相対的に全員の打点が高くなる