麻雀の強さを大きく左右する愚形リーチの基準

 麻雀は様々な局面で選択を迫られます。リーチするかダマで待つか、打点を取るか早さを取るか、降りるか攻めるか等々。

その中でも初・中級者と準上級者以上で違いが露骨に現れるのが愚形リーチを打つ時と打たない時の基準です。

両面であればダマで満貫以上が確定している場合などは別として基本的にリーチすれば問題ないことが多いですが、愚形リーチは判断が難しく打点や点数状況、場の状況等を総合的に判断してリーチを打つかダマにするか考える必要があります。

麻雀が覚えたての頃はカンチャンや短騎の愚形でもお構いなしにリーチしますが、ある程度麻雀を覚えると両面待ちが麻雀の基本であることを知り両面以外のリーチを控えるようになります。

ただ毎回最終形を両面にすることは難しく、愚形リーチで先制を取る方が上がり率も安定します。強い打ち手ほど基本は両面なんだけど時折愚形リーチも混ぜてくる、愚形リーチが有効な場面と不利な場面を理解して打ち分けている印象を持ったことはないでしょうか?

そんな愚形リーチを狙う基準について考察していきたいと思います。

※尚ここでいう愚形とはカンチャンやペンチャン、短騎待ちなど有効牌が5枚以下の待ち。良形とは両面待ちに加え亜両面やノベタン、変則待ちなど有効牌が6枚以上の場合の待ちを指すこととします。

 例えばこちらの写真。終盤の14巡目にようやくテンパイしたところで四索:麻雀王国を切り三索:麻雀王国短騎のリーチを選択した場面。

残り4巡、待ちが悪く自分から見えるドラは五筒赤:麻雀王国のみ、この状況ならリーチしますでしょうか?

選択肢としては以下の3つが考えられるかと思います。
Ⅰ.三索:麻雀王国ツモと萬子、索子、筒子の伸びを期待して四索:麻雀王国切りダマ
Ⅱ.イーペーコーとタンヤオを意識した九萬:麻雀王国切り▶︎七萬:麻雀王国,八萬:麻雀王国でポン、五萬:麻雀王国でチー
Ⅲ.降りを最優先した九萬:麻雀王国切り▶︎鳴ける牌が出てても仕掛けない

どれも正解で今回の例では選択肢の優劣はないと思っています。ここで重要なのは自分なりの基準を持っているかということです。リーチするかしないか、何を切るか素早く回答を出せた方は強い打ち手かもしれません。

私の場合、『愚形リーチは5,200以上』という基準を設けているので4s切りの即リーチを選択しました。この基準を意識すると2つのメリットがあります。
①打点が上がる
②放銃率が下がる(特に高打点)


 まず①について、麻雀で強い人は後手で強いと言われます。下手にリーチするより機が熟すのを待ち、勝負手を増やす方が局全体の収支がプラスになります。出和了り5,200、ツモで満貫は十分な勝負手と言えるので愚形でも果敢にリーチを狙う方が無難です。

先の例でもテンパイしているか分からない他家を警戒しすぎて5,200の上がりの逃すのは勿体ないです。仮に振り込んでもまだ東1局、挽回できるので巡目を気にせず攻めにいきたいところです。

 次に②について、リーチしても1翻または2翻しかないということはドラが他家に周っているということです。そういう局面では先制リーチをしたところで他家も簡単に降りません。

愚形で且つ打点もない状態で両面且つ高打点で追われてしまっては上がるメリットより振り込むリスクの方が大きいです。

愚形リーチで5,200以上の打点がない場合は『役が無くてもツモ和了りのみに期待し、リーチを受けたら撤退する』というが選択肢を持っておくことが重要になります。

私の経験上ですが和了り率は下がるものの高打点への放銃が減るので収支はプラスになります。


 ただし、毎回毎回5,200以上なければ愚形リーチを打たないかと言われればそうではなく例外もあります。

愚形リーチは他家の反撃が怖いため5200以上を推奨してますが、次の4つのうちどれかに該当する場合は打点に関係なくリーチします。
1)6巡目以内
2)7巡目以降10巡目以内で且つ両面変化が3種以下
3)親番
4)ラス目

 まず1)ですが上の写真をご覧下さい。ダマで待っても両面変化0、白:麻雀王国をポンしても愚形、白:麻雀王国のツモや萬子と索子の伸びに期待しても打点が不十分です。巡目が早いので則リーすれば他家の手作りを遅らせることができます。

6巡目以内であれば他家の手牌がまとまっておらず余剰牌も処理しきれていないことが多いため、真っすぐ押すより回ってくれる可能性が高いです。愚形で低打点のリーチも有効になります。(勿論やりすぎは注意です)

 続いて2)について、こちらも同じく両面変化0、対面の手が進んでそうですがこの手牌から好形にするにはシャンテン数を戻す必要があります。ドラを確実に使えるペン三索:麻雀王国でリーチする方が打点と早さの両方を考慮して有効と言えます。

両面変化が4種以上の場合とは、例えば中張牌のシャボで五萬:麻雀王国五萬:麻雀王国四筒:麻雀王国四筒:麻雀王国の様な形を想像していただければと思います。そのような場合では両面変化が四萬:麻雀王国,六萬:麻雀王国,三筒:麻雀王国,五筒:麻雀王国で4種あるので他家の逆襲を警戒し両面になるまで待つ方がおすすめです。

麻雀で4人のうち最初にテンパイする人の平均巡目は8〜9巡目、最初にリーチがかかる平均巡目は10〜11巡目と言われます。

7巡目以降でも10巡目以内であればまだリーチして優位に立てることが多いです。ただ11巡目以降になると他家がいつテンパイしていてもリーチしてもおかしくない状況です。

先にも述べた通りリーチして5,200に満たないということはドラが他家の手牌にある可能性が高いです。11巡目を基準に例外なしに愚形の低打点リーチは控えるようにするのがおすすめです。

 3)については親であれば打点がなくても他家が警戒して降りることが多く、連荘になるメリットも考えると積極的に攻めるほうが無難です。

 最後に4)について、ラス目であればリスクを犯しても他家の上がりを防いで点棒を拾いにいきたいところなので愚形の低打点リーチも有効と言えます。勿論、全てリーチというわけではなく場の状況次第ではダマにします。


 愚形リーチの基準に正解はなく私も日々反省しながら基準を修正しています。ただ、自分なりの基準を持って打牌選択をする打ち手と、毎回毎回考えて打牌選択をする打ち手とでは成績に大きく差が出ることは間違いありません。

今回は取り上げませんでしたがオーラス和了りトップや巡目によっても基準は変わります。是非自分なりの愚形リーチの基準について考えるきっかけにしていただければと思います。

★まとめ★
『愚形リーチは5,200以上』を意識するメリットは以下の2つ
①打点が上がる
②放銃率が下がる(特に高打点)
『愚形リーチは5200以上』の例外として次の場合はリーチを推奨
1)6巡目以内
2)7巡目以降10巡目以内で且つ両面変化が3種以下
→11巡目以降は例外なし
3)親番
4)ラス目



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