牌効率で良く聞く1シャンテンピーク理論を分かりやすく解説!
牌効率を勉強していると時折耳にする1シャンテンピーク理論という言葉。内容は理解していなくても名前だけ聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。今回は牌効率で役立つ1シャンテンピーク理論について噛み砕いて解説します。
私は牌効率と何切るで有名なウザク氏の赤ウザク本を読んだ時に最初に知りました。1シャンテンピーク理論とは何か一言で表すと『面子オーバーの手牌では、5ブロックのフォロー牌を残して不要なターツを切る方が最終的な受け入れ枚数が多くなる』というものです。
この「最終的な受け入れ枚数が多くなる」という点がポイントなのですが、イメージが湧きづらいと思いますので、具体的な手牌状況を用いて解説していきたいと思います。
こちらは6ブロックの面子オーバーな手牌から両面固定でを切った場面。結論から申しますとこれは間違った打牌になります。
がドラ、が役牌なので切る候補としては()、、の3つが考えられるかと思います。
それぞれの有効牌を比較してみます。
ⅰ)を切ると下の形(2シャンテン)
▶︎1シャンテンになる有効牌は,,,,,の6種16枚
※七対子の有効牌を除きます
ⅱ)を切ると写真と同じく下の形(2シャンテン)
▶︎1シャンテンになる有効牌は,,,,,の6種18枚
ⅲ)を切ると下の形(2シャンテン)
▶︎1シャンテンになる有効牌は,,,,,の6種18枚
ⅰ)〜ⅲ)よりか切りが手広いことになります。では2つのうちどっちかを切れば良い、かというと話はそこで終わりません。
次に共通の有効牌であるをツモって1シャンテンになった場合のそれぞれの有効牌を比較してみます。
ⅰ)切りでをツモった場合は下の形
▶︎テンパイの有効牌は,,,,の5種14枚
ⅱ)切りでをツモった場合は下の形
▶︎テンパイの有効牌は,,,の4種12枚
ⅲ)切りでをツモった場合は下の形
▶︎テンパイの有効牌は,,,,の5種16枚
以上から切りが最も手広いという結論になります。
通常、両面ターツはそれ自体で有効牌8枚と優秀な形なので、数牌のフォローを加えて両面対子の形にするメリットはあまり多くありません。
ただし今回のような面子オーバーで5ブロック足りている時は、余っているターツを払いにいく方が瞬間的な受け入れ(今回の例では2シャンテンから1シャンテンになる有効牌)は同じでも、その後の1シャンテンからテンパイまでの有効牌が手広くなります。
もう2つほど例を見ていきたいと思います。
こちらは三麻ですが第一打でを切った場面。実はこれも()切りが正解になります。両者の有効牌を比較していきます。
ⅰ)を切ると下の形(2シャンテン)
▶︎1シャンテンへの有効牌は,––,–,–,の9種31枚
ⅱ)を切ると写真と同じく下の形(2シャンテン)
▶︎1シャンテンへの有効牌は,,––,–,–の9種31枚
瞬間的な受け入れ枚数に差異はありません。先ほどと同様に共通の有効牌であるをツモった時の有効牌を比べます。
ⅰ)を切ってをツモった時は下の形(1シャンテン)
▶︎テンパイへの有効牌は,–,–,の6種20枚
※いわゆる完全1シャンテンの形です
ⅱ)を切ってをツモった時は下の形(1シャンテン)
▶︎テンパイへの有効牌は–,–の4種16枚
1シャンテンからテンパイまでの有効牌は先ほどと同様、両面ターツのフォロー牌を残して、他のターツを払いにいく方が手広いという結果になりました。
これはを切ると6ブロックのまま手を進めることになるので、1シャンテンの時には必ず1ブロックが不要になるからです。
そうなる前の2シャンテンの段階で6ブロック以外の不要なターツを切る方が、後々に手広くなることを示しています。
最後にこちらをご覧ください。6ブロックの面子オーバーで対子のを落としにいった場面。を切って両面固定するより(北)の対子を払う方が最終的な待ちが広くなります。
(先の2つの失敗から私も学んだようです😅笑)
くどいようですが切りと切りで有効牌を比較すると…
■2シャンテンから1シャンテンの有効牌
ⅰ)を切ると下の形
▶︎有効牌は––,,–,の7種24枚
ⅱ)を切ると下の形
▶︎有効牌は–,,,–,の7種24枚
かかで受け入れが異なるだけで枚数は変わりません。
■1シャンテンからテンパイの有効牌
次にそれぞれ共通の有効牌である③をツモった後の形で比較します。
ⅰ)を切ってをツモると下の形
▶︎有効牌は––の3種12枚
ⅱ)を切ってをツモると下の形
▶︎有効牌は––,,の5種16枚
※被りですがいわゆる完全1シャンテンの形になります。
やはり結論は同じで、6ブロックあれば両面のフォローは残し、余ったブロックは払う方が最終的な受け入れが多くなることになります。
麻雀は3シャンテン▶︎2シャンテン▶︎1シャンテン▶︎テンパイと手が進むにつれて有効牌が少なくなります。テンパイが最も有効牌が少ないですが、テンパイすれば他家からの出上がりも期待できます。
そうなると最も受け入れ枚数が少ないのが1シャンテンということになり、この1シャンテンからテンパイに進める有効牌を多くするよう工夫して打牌選択をしよう!というのが今回ご紹介した『1シャンテンピーク理論』になります。
そして1シャンテンの受け入れで最も優秀な形が皆さんも大好き?な完全1シャンテンです。縦にも横にもフォローが効いて有効牌が6種20枚になるあの形です。
完全1シャンテンを作るには両面ターツに縦のフォローを入れての様な両面対子の形が必要です。なので面子オーバーで6ブロックの形になったら両面あるいはカンチャン部分のフォロー牌を残し、不要なターツを払いにいくことが重要になります。
1シャンテンの際に差が出る有効牌の枚数は2枚や4枚など決して多くはありませんが、この小さな差が何百何千と対局をこなすうちに大きな差になります。是非この1シャンテンピーク理論を意識してみてください😃
★まとめ★
・麻雀で最も有効牌が少ないのが1シャンテン、この1シャンテンの時の有効牌を多くするよう打牌選択するための戦術が1シャンテンピーク理論
・面子オーバーの手牌では、5ブロックのフォロー牌を残して不要なターツを切る方が最終的な受け入れ枚数が多くなる