三麻の大原則〜愚形を安易にさばかない〜
三麻はツモる回数が多いため愚形のリーのみでも他家の大物手が仕上がる前に上がれることが多くなります。そのため、愚形をさばいて安易にシャンテン数を戻すのは得策ではありません。
一般的に巡目が進むほどシャンテン数を戻すのは良くないとされています。ツモる回数が減るごとに良形手代わりの変化が期待できなくなるからです。
一方で、愚形残りでもテンパイさえすればツモ以外に他家からの出上がりが期待できます。
打点がいくつ上がるか、場の点数状況にもよりますが目安として中盤の7巡目以降はシャンテン数を下げない方が無難です。
それでは具体的な場面で説明していきたいと思います。
こちらは33,000点のトップで迎えたオーラス、12巡目にをツモってを切った場面。パッと見のペンチャンを落としたくなりますが巡目も深いので1シャンテンを維持する方が上がりを期待できます。
を切るとテンパイの有効牌は–,–,,の6種17枚
一方でを切ると下の形の2シャンテン
1シャンテンになる有効牌は––,–,–,–,,の11種30枚
テンパイする有効牌が17枚に対し、2シャンテンに戻して1シャンテンになる有効牌は30枚。そこからテンパイするまでにまた有効牌を引く必要があることを考えるとシャンテン数を戻すのは遠回りです。
2シャンテンに戻すことで平和やタンヤオが狙え、最終形が両面になる可能性が高くなります。こういったシャンテン戻しは序盤や勝負手を作りたい場面では有効ですがテンパイ即リーを意識する場面や中盤以降では有効にはなりません。
今回の状況であれば親に上がられると捲られますし、先制リーチを受けて降りたとしても1人ノーテンなら4,500点差がつき2着に下がります。
下家の親は勿論、ラス目の上家もゼンツで攻めに来ると考えられるのでここは愚形を残して1巡でも早くテンパイすることが求められます。
ちなみにを残すとして候補となる打牌選択の有効牌を比較すると…
1)を切ると写真と同じく下の形
▶︎有効牌は–,–,,の6種17枚
2)を切ると下の形
▶︎有効牌は–,,の4種12枚
3)を切ると下の形
▶︎有効牌は–,–,の︎5種16枚
切りが一番手広いことが分かります。
牌効率のコツとして
①暗刻は切らずに残す
②ヘッド候補は2つ持っておく
この2点を意識すると手広くなることが多いです。
暗刻はそれ単体で1面子となることに加え、隣の牌や1つ飛ばしの牌とくっつくと1面子+1ヘッドの2面子を構成できるので有用性が高いです。
例)、など
今回の場合はをきることでとが暗刻として残り、は両面ターツのとくっつくことでと2面子若しくは1面子+1ヘッドとして使えます。これによりヘッド候補がとの2つになるので最も手広くなります。
形が複雑な時はこの2点を是非意識してみてください。
麻雀を覚えたてのころはペンチャンやカンチャンなどの愚形ターツでも重宝しますが、ある程度麻雀を覚えると両面待ちにこだわり愚形を嫌うようになりがちです。
麻雀は最終形にこだわることが基本なので決して間違いではありませんが、テンパイ即リーでも構わない場面や中盤以降であれば安易にシャンテン数を下げずに愚形を残す方が得策と言えます。
特にツモる回数の多い三麻では極力シャンテン数を下げずにテンパイに向かう方が上がり率が高くなって勝ちやすくなる場面が多いです。
勿論、場の状況にもよるので正解はありませんが、愚形をさばいてシャンテン数を戻すことのメリットとデメリットを意識して打てるようになれば確実に麻雀の成績は上がります。是非意識してみてください。
★まとめ★
・ツモる回数が多くテンパイ即リーが有効な三麻では愚形は安易にさばかない方がいい
▶︎目安として中盤の7巡目以降
・愚形を嫌ってシャンテン数を戻すことで、最終形が両面待ちになやすく大物手を作りやすくなるメリットはある
・牌が複雑の場合は以下の2点を意識すると手広くなることが多い
①暗刻は切らずに残す
②ヘッド候補は2つ持っておく