麻雀鳴きの心得〜鳴いた後の良形手代わりを意識しよう!〜
麻雀で鳴きが上手くなるには沢山鳴くことが大切ですが、意識するだけで鳴きが上手くなるポイントもあります。今回ご紹介するのは『鳴いた後の良形手代わりを意識する』ということ。
普段は面前派という方も鳴きが上手くなればタンヤオドラ3や中ドラ3などの勝負手を上がれる確率が高くなるので知っておいて損はないかと思います。
麻雀は面前でも鳴いてもテンパイすれば後は上がりを待つだけということにはなりません。リーチと違って面前のダマや鳴きのテンパイには良形への手代わりがあります。
例え同じ愚形待ちでも良形手代わりの多い待ちを選択することで上がりやすくなります。
それでは具体的な場面で見ていきましょう。
こちらは東1局9巡目、上家からをチーしてテンパイ、切りで,のシャボを選択した場面。
ここで切りの,のシャボ【以下、前者】と切りののカンチャン【以下、後者】を比較したいと思います。
待ちの数は前者が2種3枚、後者が1種4枚でカンチャンに受ける方が上がれる枚数が多くなります。
ですが、両面変化になる有効牌は前者のシャボが,,の3種(はフリテンなので除く)に対し、後者のカンチャンがの1種(は4枚切れで且つフリテンなので除く)になります。
ここでポイントとなるのが冒頭で触れた良形への手代わりです。瞬間的な受け入れ枚数は後者のカンチャンの方が多いものの、良形手代わりの多さが後者のカンチャンより前者のシャボが3倍多いです。
そのことを踏まえると、ここは切りのシャボに受ける方が上がりやすくなります。
続いてこちらはラス目で迎えた東ラス13巡目、を切ってとのシャボを選択した場面。
ここでも切りのとのシャボ【以下、前者】と切りののカンチャン【以下、後者】を比較してみます。
先ほどと同様に考えると前者のシャボは上がり牌が2種3枚に対し、後者のカンチャンは上がり牌が1種4枚と瞬間的な有効牌ではシャボがカンチャンに劣ります。
ですが、両面変化の有効牌を数えるとシャボに受ける前者は,の2種(はフリテン、は実質ペンなので除く)、後者のカンチャンがの1種のみ(は実質ペンなので除く)。
ここでもシャボの方がカンチャンより良形手代わりの有効牌が多くなります。
前者のシャボではを引くと––の3面待ちになる点が強いです。更にはツモらなくてもチーできる点もポイントです。
鳴きに限ったことではありませんが、中張牌のシャボとカンチャンでテンパイした場合のそれぞれの良形手代わりの有効牌を比較すると、シャボが両面変化4種に対してカンチャンは両面2種になります。
ひとまずテンパイ時にシャボとカンチャンどちらに取るか迷ったら『両面変化の多いシャボに取る』と機械的に覚えるのも良いかと思います。
面前でも鳴きでもカンチャンよりシャボに受けるのがセオリーと言えます。
最後にご紹介するのがこちら。2着で迎えた南3局親番の8巡目、上家から急所のチーを選択した場面。
この後何を切りますでしょうか?是非考えてみてください。
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切りでカンに受けるのが正解です。
瞬間的な受け入れは切りがのみの1種2枚、七切りがのみの1種3枚と切りが優位に見えますが、切りの方が良形手代わりの有効牌が多くなります。
この場合、を切ってしまうと良形手代わりはノベタンに変化する,,,の4種14枚になります。
一方で切りだと先ほどの4種14枚に加えて、,,,の4種12枚で亜両面に変化し、良形手代わりの有効牌は合計で8種26枚になります。
結果論ではあるものの、次順にをツモって–待ちの亜両面に変化しました。
今回のように最終的にヘッドがない形では孤立牌を残すより牌を連続させる方がノベタンや亜両面への変化が期待でき手広くなります。
ひとまずは『ヘッドレスの形では孤立牌を活かすより連続して繋げる方が良形手代わりの有効牌が多くなる』と覚えるのも良いかと思います。
テンパイすると上がり牌の枚数だけに注目してしまいがちですが、良形手代わりの有効牌も把握した上でテンパイ時の打牌選択ができるようになると上がり率は確実にアップします。
将棋の強い打ち手が何十手先を読んで打つのと同じで、麻雀でも何十手先を読む必要はないものの一手二手先を読む力が成績を上げる上で重要になります。
最初は慣れなくて難しいかもしれませんが、まずは良形変化の有効牌の枚数を数える習慣をつけることが大切です。
打牌後に「あれ?これどっち切るべきだったんだろう」と思ったら写真を撮ったりスクショしたりして後で振り返ってみてください。それを繰り返すうちに打牌選択をする最中に良形手代わりする有効牌の枚数が数字で見えるようになってきます。
是非瞬間的な受け入れ枚数だけでなく、テンパイした後の良形手代わりも意識してみてください。
★まとめ★
・瞬間的な受け入れ枚数だけでなく、良形手代わりの枚数を把握して打牌選択をすると鳴きにおける上がり率がアップする
・一般的にカンチャンで受けるよりシャボに受ける方が両面の手代わりが多くなる
・ヘッドレスの形では連続形を重視すると良形手代わりの有効牌が多くなりやすい